こんにちは、YOU司法書士事務所です。202410月から登記時に代表取締役の住所を非表示にできるようになりました。

しかし、申請には手続きが必要で、デメリットもあるため、よく考えて申請する必要があります。 

今回のコラムでは代表取締役等住所非表示措置について、メリットとデメリット、申請の方法について解説します。

代表取締役等住所非表示措置とは

代表取締役等住所非表示措置とは、代表取締役または代表清算人の住所について、市区町村までの表示にとどめられる措置です。

通常であれば、代表取締役または代表清算人の住所は登記事項とされ、住所を誰もが確認することが可能でした。

代表取締役の住所表記についての基礎的な考え方については、こちらの記事をご覧ください。

https://www.you-legal.com/?page_id=4057&preview=true

代表取締役等非表示措置をするメリット

代表取締役等非表示措置をするメリットについて解説します。

個人情報を保護できる。

代表取締役等住所非表示措置をすることで、個人情報を保護できることがメリットです。これまでは、登記事項は住所が誰でも簡単に確認できる状態になっており、オンラインでも確認可能でした。

また、代表取締役等非表示措置が導入される前までは、会社の住所を生活のための場所として扱い、住所とするなど、プライバシー確保のための工夫が必要でした。

起業へのハードルが下がった

個人情報が保護されるようになったことで、起業する際のハードルが下がったこともメリットです。これまでは個人情報保護の問題から、子どものいる家庭や、著名人の場合、登記をすることにリスクがありました。

起業したい人間にとってのハードルの一つになっており、そのため、起業したくてもできないという事例もありました。非表示措置によって、個人情報が保護されることで、起業時に起こりうるリスクの対策ができます。

代表取締役等非表示措置をする際の注意点

代表取締役等非表示措置をする措置は、手間もかかり、デメリットもあるため、非表示措置の申請はよく注意する必要があります。

会社代表者の住所を会社登記簿謄本で表示できない。

会社登記簿謄本で会社代表者の住所が表示されないことで、事業に影響が出ることがあります。

具体的にいえば、融資の審査に影響が出る、不動産取引の際に必要な書類が増えるなどの問題点です。特に登記したばかりの企業の場合、融資を受けられるかどうかで資金繰りに大きな影響が出てしまう可能性があります。

現時点で銀行融資や不動産取引の際に、どのように対応されるのかは未知数ですが、デメリットになりうることは知っておく必要があるでしょう。

代表取締役等非表示措置ができるタイミングは限られている

代表取締役等非表示措置ができるのは、登記をするタイミングや、住所変更の登記をする場合に限られています。そのため、非表示措置だけの手続きはできません。

また、非表示申出をする際には、担保措置と呼ばれる措置が必要で、手間もかかります。非表示措置のために時間と労力が奪われる可能性があることも懸念すべき点の1つです。

住所変更があった場合には、変更申請が必要

非表示にはできても登記住所に変更があった場合には、変更申請が必要になります。変更登記前の住所については、非表示措置が行われません。

そのため、過去の住所から現在の住所を推測される可能性もあります。

代表取締役等非表示措置の申請手順

代表取締役等非表示措置の申請をするためには、登記のタイミングで書類の準備が必要です。

上場企業の場合は以下の書類が必要になります。
株式が上場されていることが確認できる書面

上場企業以外の会社の場合は以下の書類が必要です。
①株式会社が受取人でかつ、株式会社の本店宛で送られている配達証明郵便
②代表取締役等の氏名と住所が記載されている市町村長等が発行した証明書
③株式会社の実質的支配者の本人特定事項を証明する書類

なお、具体的な書類の内容については、後日運用が始まってからあらためて記事公開させていただきます。

代表取締役等非表示措置は慎重に判断しよう

プライバシーの観点において、代表取締役等非表示措置のメリットはあるものの、デメリットもあるため、安易に申請をするのはおすすめではない。登記申請や変更申請のタイミングでしか、代表取締役等非表示措置の申請はできないため、慎重な判断が求められます。

代表取締役等非表示措置を申請する際には、デメリットについてよく理解したうえで、申請手続きを行いましょう。

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