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- 日本で一番上場しやすい市場!? 東京プロマーケット
東京証券取引所の第5の市場として注目されている「TOKYO PRO Market」をご存じでしょうか 平成29年12月この東京プロマーケットから、JASDAQに上場を果たした会社が誕生しました。株式会社歯愛メディカルという会社です。 この東京プロマーケット、知名度はほとんどありませんがマザーズ、JASDAQに続く新興企業向けのマーケットで近年急速に注目を集めている市場です。
株式の売買ができるのは、特定投資家に限られ個人が株式の売買をすることができないことから知名度がないという事はありますが上場に何を求めるかという視点で見るととても魅力的な市場といえます。東京プロマーケットの特徴
一番の特徴は、やはり市場の参加者が特定投資家に限られているという事です。 ではなぜ、特定投資家に限られているのでしょうか
成長性はあると見られるが実績が十分ではないベンチャー企業では、業績や株価の変動が大きく、その分株式投資のリスクが大きくなってしまいます。そのため、市場の参加者はリスク許容度が大きいプロの投資家(特定投資家)に限るという事と、仮に個人などの一般投資家も市場参加者として認めると、それらの投資家を保護するために、情報開示を強化する必要がでてきてしまう事が理由です。 現在、マザーズやJASDAQは、新興市場とはいうものの、非常に上場が難しい市場となってしまっています。
そこで、東京プロマーケットという本来的な意味での新興市場を造ろうとしたものです。東京プロマーケットのメリット・デメリット
メリット
上場までの準備期間が短い
マザーズ、JASDAQなどの株式市場に上場しようとした場合、監査法人の監査証明は2期分必要となります。
その準備期間を考慮すると、少なくとも3年かかります。
しかし、東京プロマーケットでは1年で上場することも可能です。
なんと東京オリンピックまでに上場をすることも夢ではありません。
また、審査の期間が短いということはそれだけ上場準備にかかるコストも削減することが可能です。四半期開示や内部統制報告書は義務ではない。
一般的な株式市場に上場した場合、年4回決算を行い、四半期開示を行う必要があったり、内部統制報告書の作成も必須であることなど、情報開示に関する負担が非常に重くなっています。もちろん一般投資家を保護するために情報開示は重要ですが、これらにより上場の維持コストを押し上げる一因となっています。デメリット
市場の流動性が低い
市場の参加者が特定投資家に限られており。積極的な売買がなされていないため市場の流動性は低くなっています。
これは、短期的なキャピタルゲインを目的とする参加者がいないことが原因と考えられます。
一方で、日々の株価の変動に影響されることなく安定して経営をすることができるともいえます。
上場企業でありながら、長期的な視点にたって経営をすることができるというのは、見方を変えれば、他の市場ではあり得ない素晴らしいメリットと考えることもできるでしょう。新規上場時の株式売り出しが難しい
一般的な株式市場に上場した場合、新規公開時に株式を売り出し、何億という資金を集めています。
しかし、東京プロマーケットでは、上記のとおり市場参加者が限られ流動性が低いことから、新規公開時の売り出しにおいて資金調達を行うのは難しいのが現状です。東京プロマーケットをお勧めする理由
東京プロマーケットの上場で得られるもの
知名度・信用度の向上
東京プロマーケットは、流動性が低いため上場したことによる資金調達は難しいといえます。しかし、株式上場の目的は、知名度や信用度の向上や優秀な人材の確保であるという経営者も多く存在します。その目的においては、東京プロマーケットであっても十分達成可能です。 また、資金調達の手段は、市場からだけではありません。
株式上場したことにより、会社の知名度が大きくあがり、取引先などから資金調達ができたり、銀行から融資をうけることができたりと、資金調達の可能性は大きくあがります。
資金調達の他、会社の信頼性があがることにより取引の拡大や人材採用が容易になるなど多くの恩恵があります。社内管理体制の強化・従業員のモチベーションアップ
四半期開示や内部統制報告書の義務は無いとはいえ、他の市場と同様に適時開示義務など企業情報の開示を行う必要があり、必然的に第三者のチェックを受ける事を前提とした会社の内部管理体制を作ることとなります。
また、東証上場企業として役員や従業員のモチベーション大きく向上します。マザーズ・JASDAQ上場への第一ステップ
東京プロマーケットの特徴として、上場審査を始め上場後のフォローをすべてJ-Adviserといわれる主幹事が行います。
そのため、まずは東京プロマーケットに上場してから東京証券取引所及びJ-Adviserのサポートを受けつつ、次の市場を目指して成長するという事ができます。
東京プロマーケットでは形式的基準がないため、上場時の売上規模も時価総額6億円程度の会社でも上場は十分可能です。どのような企業が向いているか
信用度や知名度の向上により事業の拡大を目指したい企業
東京プロマーケット上場企業も、マザーズ上場企業などと同様に当然銘柄コードも付与されます。また、名刺・HP・公告など様々な場面において上場企業を現すマークは使用することができます。東証上場企業としての信用度はやはり、非上場会社に比べると大きな差があります。マザーズ・JASDAQ上場を目指す企業
マザーズ・JASDAQ上場と東京プロマーケットの上場は2者択一ではありません。
東京プロマーケットを経由してマザーズ・JASDAQの上場を目指すのは遠回りではないのです。
マザーズ・JASDAQ上場を目指しながら、何年も上場できないという企業は実際に多く存在します。非常に上場が難しいマザーズ・JASDAQ上場を目指すよりも、より現実的に手が届く市場として東京プロマーケットに上場しステップアップを目指すというのも可能です。事業承継に困っている企業
事業承継が難しい理由として3つの問題が挙げられます。これらは東京プロマーケットに上場すれば解決する可能性があります。 ①適切な後継者がいない 外部から後継者を招聘する場合、上場企業であれば優秀な人材が見つかる可能性が高くなります。 ②銀行借り入れについて社長の個人保証がある 東京プロマーケットに上場することにより銀行の個人保証は無くなります。 ③株式の相続税評価額が高く株式の承継ができない 未上場株式の場合には、相続税評価額で株式を譲渡することになりますが、一般的には高額になってしまいます。しかし、上場会社の場合には市場における株価を評価額として使用することができます。まとめ
東京プロマーケットは、上場までの期間・コスト・難易度において他の市場とは大きく異なる特徴をもっています。
株式市場で直接資金調達を行うという事は難しいですが、信用度・知名度の向上によるメリットはそれ以上に大きなものとなっています。
マザーズ・JASDAQや東証1部・2部へのステップアップとしては最適な市場ではないでしょうか
現在東京プロマーケットの上場している会社は23社(平成30年3月)です。
一昨年は2社、昨年は7社と近年東京プロマーケットに上場する企業が急増しています。
東京プロマーケットからマザーズへのステップアップを果たした企業も誕生したことからますます注目される市場になるものと思います。 東京プロマーケットの上場に興味があるお客様や上場を目指すお客様は、こちらの特設ページをご覧ください。
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