定款と株主名簿は会社法の規定により常に会社に備えておかなければならないものです。
適切に作成し、内容に変更があった場合には最新の内容にアップデートをしていますか?
ベンチャー企業では、定款・株主名簿の提出が要求される場面が多くあります。
リソースが少ないなか対応するのは面倒な事もあるかもしれませんが、法令を遵守のためにも必要な事ですので対応していきましょう。
定款・株主名簿が必要な場面
定款
主に使用する場面としては、税務署への法人設立届の時、金融機関との取引開始時、許認可の申請、助成金の申請、登記申請時などです。
また、ベンチャーキャピタルから出資を受ける際にも必要となります。
定款は、会社の設立時に必ず作成しますので存在しないという事はないと思います。
ただし、目的を変更した際、本店の移転をした際、事業年度を変更した際などにアップデートを忘れていることがあります。
また、任期の変更を反映していないという事もあります。
役員の任期は定款から把握するしかありませんので、任期を変更した場合には必ず定款のアップデートをする必要があります。
株主名簿
主に使用する場面としては、金融機関との取引開始時、登記申請時などです。また、定款と同じくベンチャーキャピタルから出資を受ける際にも必要となります。
設立初期のベンチャー企業では、取締役や主要メンバーが株主を兼ねているケースも多く、管理に困ることはないという理由で作成していないという事もあるかもしれません。
しかし、IPOやM&Aを目指すベンチャー企業においては、株式の管理は最も重要な項目の一つです。また、株主名簿の整備は会社法上の義務となっていますので、法令に基づき作成し、適切に更新をしておく必要があります。
定款・株主名簿のアップデートの仕方
定款
原始定款の作成時には公証人の認証が必要なため、内容を変更する際にも公証人の関与が必要とおもわれている方がいらっしゃいます。
設立後に定款を変更する場合には、公証人の関与は必要ありません。
定款の変更は下記の2ステップで変更することができます。
1 株主総会の特別決議により定款変更を決議する
2 定款を変更後の内容に書き換える(Wordファイルを書き換える)
電子定款によって会社を設立した場合には、手元に定款のPDFファイルしかないという場合もあるかもしれません。
会社の設立を専門家に依頼した場合には、Wordファイルも一緒に受け取るようにしてください。
株主名簿
株主名簿に記載すべき事項は法定されていますが、必要事項が網羅されていれば具体的なフォーマットに決まりはありません。
Excel等で作成し株主の変更があった場合や株主の住所が変わった際など、その都度内容の修正をすれば足ります。
まとめ
定款・株主名簿を常に最新のものを整備しておくという事は、資金調達をよく行うベンチャー企業においては、必須といえます。
急遽必要となる場面もあるかと思いますので、日頃から適切に管理する体制を構築しておくことが大切です。
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