登記懈怠のペナルティとは?登記を放置した場合の過料について解説!

こんにちは、ゆう司法書士事務所です。

会社の登記事項に変更が生じた場合は2週間以内に登記をする必要があります。そして会社の登記事項に変更が生じたにも関わらず登記をしないで放置していると、過料という罰金のようなものが科される場合があります。会社を経営している方は登記懈怠には十分に注意する必要があります。

登記懈怠の罰則規定である過料については、誰がいくら支払う必要があるのでしょうか?また過料が科されるまでの流れはどのようになるのでしょうか?

今回のコラムでは、登記懈怠のペナルティである過料について、会社法に詳しい司法書士がわかりやすく解説していますので、ぜひ最後までお読みください。


目次

登記懈怠による過料は誰がいくら支払うのかを司法書士が詳しく解説します!

会社の仕事で法務や総務に携わった経験のある方であれば、登記懈怠という言葉を聞いたことのある方もいらっしゃると思います。登記懈怠の意味としては、登記を申請する必要があるのにこれを怠っている状態のことをいいます。

株式会社をはじめとする法人については、変更が生じたときから2週間以内に登記の申請を行う必要があります。このように登記が義務付けられているため、登記義務に違反した場合には、「過料」というペナルティを課すことで、会社に登記することを促しています。その結果、常に正しい内容が公示されるようにすることで、登記制度が維持されているのです。

今回のコラムでは、「過料」とはそもそも何なのか、いくら払うことになるのか、誰が支払うのかなど、過料について詳しく解説いたします。

登記懈怠のペナルティである過料について解説します。

皆様も「過料」という言葉を聞き慣れていない方もいらっしゃると思います。

過料とは、行政上の秩序を維持するために一定の義務に違反した場合に課される金銭的な制裁になります。過料は、行政罰であり刑法や刑事訴訟法で定められる刑罰ではありません。ですから、過料によって前科が付くというようなことはありません。また、過料を支払わなかったとしても身柄を拘束されることはありませんが、違反者の財産に対して強制執行を受ける可能性はあります。

登記懈怠から過料通知までの流れを解説

登記懈怠から過料が決定され、会社にその通知がされるまでの流れは以下のとおりになります。

  1. 申請期限を超過した登記の申請
    登記懈怠は、登記を申請する必要があるのにこれを怠っている状態をいいますので、一般的には登記の申請をしてはじめて登記懈怠の事実が登記官に知られることになります。登記の申請がきっかけになって登記懈怠の事実を知られるのであれば、登記しない方がいいと考える方がいらっしゃるかもしれませんが、登記懈怠の状況が長くなるほど過料の金額が高くなりますし、最悪の場合は会社が解散させられてしまいますので、速やかな登記の申請をお勧めいたします。
  2. 登記官から裁判所への通知
    登記の審査の際に、登記懈怠の事実を知った登記官は登記事項証明書を添えて裁判所にその事実を知らせることになります。
  3. 過料の決定及び通知
    登記官から通知を受けた裁判所は、実際に過料を課すかどうか、また過料の金額について決定します。過料を科す決定がされると、裁判所から会社の代表者あてに「過料決定」という書面が送付されます。

過料の支払義務は誰にあるのか?過料の金額とは?

登記懈怠があった場合に過料の対象となるのは、実は会社ではなく会社の代表者になります。すでに代表者を退任している場合であっても、在任時の登記懈怠については過料が課せられる場合があります。

裁判所からは会社の代表者あてに「過料決定」という表題の文書が送られて来ますが、文書の冒頭部分には「会社法違反事件」と記載されていますので、はじめて見た方は驚くかもしれません。

会社法の条文上は「100万円以下」と定められていますが、これは上限の金額であり、実際に100万円の過料に処されることはまずありません。具体的には、役員変更登記を2年程懈怠したケースでは、3万円の過料が決定されているケースがあります。登記申請期限を超過した日数が長くなるほど、過料の金額は高くなる傾向があります。

過料の通知が来た場合の対応を解説します。

過料の徴収については検察庁が行い、一般的には通知から2か月程度したら、さらに検察庁から通知がありますので、その案内に従って過料の支払いを行います。

過料の決定に不服があれば、通知を受け取った日から1週間以内であれば、異議の申し立てを行うことができます。ただし、実際には特別な理由がない限り、異議の申し立てが認められることは少なく「忘れていた」や「忙しかった」などでは特別な理由とは認められません。

選任懈怠についても解説します。

役員の任期は一般的には会社設立時に作成した定款に規定しています。その役員の任期は最長で10年とする場合もありますので、知らぬ間に役員の任期が切れてしまい、その事実を見落としている会社が多く見受けられます。

役員の辞任や死亡、任期切れにより役員の最低人数を下回ったにもかかわらず、後任者の選任や再選を行っていない状態のことを「選任懈怠」といい、登記懈怠と同じように過料の対象になります。

登記懈怠や選任懈怠は法令違反にあたりますので、会社としての信用性やコンプライアンスの観点からも回避すべき問題です。会社としては、役員の任期を管理することに加えて、登記が必要な場合をきちんと把握しておく必要があります。

自社だけで対応が難しい場合や本業に専念したい場合などは、当事務所のような専門家のサポートを受けながら整備を進めるのがベストな選択になります。

ここまでで、今回のコラムの「登記懈怠のペナルティとは?登記を放置した場合の過料について解説!」のテーマの解説は以上になります。

ゆう司法書士事務所では、会社の変更登記の手続きを始め、M&Aや資本政策としての増資、ストックオプション、株式分割といったとても専門性が高い業務を得意分野としていますので、企業経営をしている方でお悩みがある方はぜひ当事務所の無料相談をご利用ください。必ず御社のスムーズな経営にご協力が出来ると確信しています。

 

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