合同会社の社員(株主のようなもの)は、他の社員全員の同意によってその持分(株式のようなもの)の一部又は全部を譲渡することができます。
そして、持分の全部を譲渡した社員は、退社(株主ではなくなる)することになります。
また、既存の社員以外のものが持分を譲り受けた場合には、そのものは新たに社員として合同会社に加入することになります。
合同会社と株式会社の違い
1.株主と経営権
株式会社の場合には、株主と経営者(取締役ら)は必ずしも一致しません。
株式会社では、株主は自ら経営者となることはもちろん可能ですしまた経営を自らが選任した経営者に委任するということもできます。
一方、合同会社では、原則として社員=経営者となります。
ただし、社員のうち一部のものを業務執行社員と定めて、業務執行社員のみが経営をするということは可能です。
なお、株式会社と異なり社員でないものに対して経営を委任することはできません。
2.登記事項
株式会社の場合には、株主は登記事項ではありません。
そのため、株式の譲渡があったとしても登記は不要です。
一方、合同会社の場合には、業務執行社員と代表社員が登記事項です。
そのため、持分の譲渡にともなって登記が必要になる場合があります。
※合同会社では、社員全員で業務を行うのが原則です。しかし、社員のうち一部のものを業務を執行する社員(業務執行社員)として選ぶことができます。また、業務を行うものが複数いる場合には、合同会社を代表するものとして代表社員を定めます。
登記が必要な場合
①社員がその持分の全部を譲渡して退社した
②社員ではないものが、持分を譲り受けて加入した
かつ、退社又は加入した社員が業務執行社員・代表社員である場合は変更登記が必要です。
つまり、持分の譲渡があっても業務執行社員及び代表社員に変更がない場合や持分割合のみの変更の場合は登記不要です。
持分譲渡の手続き
1.持分譲渡
持分を譲渡する社員と譲り受ける社員との間で持分譲渡の合意をします。
加入の事実を証する書面として持分譲渡契約書が登記の添付書面となります。
2.社員全員の同意
持分を譲渡するとき及び持分を譲り受けて加入するときは、社員全員の同意が必要です。
また、合同会社の場合には、社員は定款の記載事項となっているため、持分の譲渡にともない社員が変わる場合には必ず定款変更が必要です。
3.登記申請
持分譲渡の効力発生日(業務執行社員及び代表社員が変わった日)から2週間以内に登記する必要があります。
費用について
書類作成:1万円~ | |
手続き内容 |
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