こんにちは、YOU司法書士事務所です。

会社役員が新しく就任したり、任期満了や辞任したりすることで変更があると、法務局に登記変更を申請する必要があります。
役員変更登記は都度申請しなければならないため、役員の異動が多い会社では比較的頻度が高いといえるでしょう。だからこそ、役員変更登記がどんなものなのか、どんなタイミングで必要となるのかは押さえておきたいところです。
本記事では、役員変更登記申請の流れや必要書類について解説します。


目次

役員の変更登記とは

役員の変更登記とは、会社役員の異動に伴い、法務局に変更申請を行う手続きのことです。会社役員には任期が決まっており、新しく就任したり、退任したりした場合は、随時申請が必要です。申請先は、会社が管轄されている法務局で、役員の変更が承認された日から2週間以内に申請しなければなりません。

どんなときに必要?

役員の変更登記申請が必要になるタイミングは、次に挙げる4つの場合です。

1.新たな役員が就任したとき
役員が増えた場合や交代になったなどで、新しく役員が就任(就任)したときには申請が必要です。また、一時的に退任して再度就任したという場合(再任)や任期満了後に引き続き役員を行う場合(重任)でも、申請しなくてはいけません。

2.役員が退任・辞任したとき
任期が満了して役員でなくなった場合(退任)や、自らの意思で役員の職を辞した場合(辞任)にも、変更の申請が必要です。

3.役員の氏名変更や住所変更があったとき
結婚や転居等で、就任している役員自身の情報に変更があった際も、登記の内容に変更が生じるため、申請が必要です。

4.役員が死亡したとき
役員が死亡した際には、登記から除名する必要があるため、登記の変更申請をしなくてはいけません。

そもそも役員とは?

ここでいう役員とは、取締役や会計参与、監査役のことを指しています。会計参与は必須ではありませんが、取締役会設置会社において、監査役がいないときは選任が必要です。

役員には任期があり、代表取締役を含む取締役、会計参与は2年、監査役は4年と定められています。この任期は定款で定めることで、短縮や延長が可能です。ただし、監査役については短縮はできません。

役員変更登記の流れ

ここでは、実際の役員変更登記の流れをご紹介します。

役員変更の決議

取締役や監査役を選任する場合、株主総会での決議が必要です。
代表取締役の選任は、取締役会を設置している会社では取締役会が選任機関となり、基本的にはそこで決議が行われます。このように、役員変更の決議は会社の体制や規模によって適切な機関で行われます。

申請書類の作成

役員変更を決議したら、法務局へ提出する申請書類を作成します。
株主総会の議事録や、取締役会の議事録、法務局へ提出する申請書類などが必要です。

法務局への提出

書類が準備できたら、管轄の法務局へ提出します。
提出方法は持参、郵送、またはオンライン申請の方法があります。

役員変更登記の必要書類

役員変更登記で必要な書類は、変更内容によって変わってきます。
下記にそれぞれの書類について解説します。

役員変更の登記申請書

役員変更登記を申請する際、法務局へ提出する書類です。就任や重任、辞任、退任といかなる場合でも必要です。法務局で用意できるほか、ホームページからもダウンロードできます。

株主総会議事録

役員変更決議を行った株主総会の議事録です。議事録は、株主総会でない場合も作成の義務があり、例えば決議を行った機関が取締役会だった場合は取締役会議事録が必要です。

株主リスト

株主を一覧化したもので、株主の氏名や住所、持っている株数などが記載されています。上場企業が作成を義務付けられている株主名簿とは記載事項が異なり、株主総会の開催時点での議決権を保有する者を明らかにするために必要なものです。

就任承諾書

役員本人が就任を承諾したことを証明する書類です。就任承諾をした旨を議事録に記載している場合は提出を省けます。

本人確認証明書

役員の再任以外で変更登記をする場合に必要な書類です。就任承諾書に記載された氏名、住所と同じ内容が記載されている住民票やマイナンバーカード、免許証のコピーなどが含まれます。

>印鑑証明書

役員が就任承諾書などに押印した印鑑を証明するものです。取締役会の有無で書類の要否が分かれます。取締役会がある場合は、代表取締役の就任時にのみ提出が義務付けられています。取締役会がない場合、取締役の重任の場合を除いて提出が必要です。

委任状

司法書士などの第三者に申請手続きを依頼する場合、委任状を提出する必要があります。

上記の他にも、役員が辞任するときには役員変更登記申請書に加えて、辞任届が必要です。
また、取締役会を設置していない会社において、代表取締役を選定する場合など、定款を提出しなければならないケースもあります。

役員変更登記にかかる費用

役員変更登記には、主に下記のような費用がかかります。

・登録免許税(収入印紙代)
資本金1億円以下の場合 :1万円
資本金1億円を超える場合:3万円

上記の登録免許税は変更登記1件あたりにかかる費用です。増えるにつれその分増額するので、役員変更が複数ある場合は一括での申請がよいでしょう。

その他に必要となる住民票や印鑑証明書などには、発行手数料として数百円程度の雑費がかかります。また、提出する際に出向く交通費や印刷代なども見積もっておきましょう。

役員変更登記を忘れていた場合はどうする?

役員変更の登記は、同じ人が長く役員に就いていていつの間にか任期を過ぎていたなど、実際には忘れていたというパターンも少なくありません。

変更登記がされていなかった場合、代表取締役に100万円以下の過料が処されることがあります。また、株式会社が変更登記をしないまま12年以上経過すると、事業をしていない会社とみなされ解散の登記がされることもあります。
変更登記をしていないことに気付いたら、速やかに申請するようにしましょう。

役員変更登記の期限超過についてお困りの場合は、下記リンクもご参照ください。

関連リンク:
相談事例「役員変更登記をしていなかった」
相談事例「役員の住所変更登記をお忘れではありませんか」

まとめ

役員の変更登記は申請期限が決められており、それを過ぎるとペナルティが発生する可能性があります。
さらに、同じ役員が長期間就任していたり、同日に退任就任を行ったりで、申請するタイミングがわかりづらいものでもあります。
思わぬトラブルを避けるためにも、これらの情報はあらかじめ知っておくことが重要です。

また、いざ法務局へ申請するとなると、自分の会社にはどんな書類が必要なのか、どんな手続きを踏めばいいのか、お困りの方も多いのではないでしょうか。

YOU司法書士法人では、中小企業様に特化した法務サポートを行っています。
役員変更登記でお悩みの際は、ぜひご相談ください。

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