経営者に「参謀」が必要な理由

経営者に「参謀」が必要な理由

優秀な経営者ほど、一人で判断しない

経営者は孤独です。

これは単なる精神論ではありません。

会社という組織の構造上、経営者は最終的な意思決定者だからです。

社員に相談することはできます。

役員に意見を求めることもできます。

しかし、

最後に決めるのは経営者です。

その結果責任を負うのも経営者です。

だからこそ、多くの経営者は孤独になります。

そして、その孤独が判断を難しくします。

会社経営において重要なのは、

「正しい答えを知っていること」

ではありません。

重要なのは、

「より良い判断ができる状態を作ること」

です。

そのために必要なのが、

参謀です。

私は、

参謀とは

「経営者の意思決定の質を高める存在」

だと考えています。

参謀とは何か

参謀という言葉は、

もともと軍事の世界で使われてきました。

戦場では、

将軍が最終的な決断を下します。

しかし、

将軍一人ですべてを分析することはできません。

敵の動き。

地形。

補給。

天候。

兵力。

膨大な情報を整理し、

選択肢を提示する存在が必要になります。

それが参謀です。

重要なのは、

参謀は指揮官ではないということです。

決めるのは将軍。

考える材料を整理するのが参謀。

経営も同じです。

会社を動かすのは経営者です。

しかし、

経営者一人で全てを客観視することはできません。

だからこそ参謀が必要になります。

なぜ経営者は視点が下がるのか

経営者は会社の中心にいます。

毎日、

  • 売上
  • 採用
  • 顧客対応
  • 資金繰り
  • トラブル対応

に向き合っています。

当然ですが、

現場に近づけば近づくほど、

視点は下がります。

目の前の問題に集中するからです。

すると、

本来見るべきものが見えなくなります。

例えば、売上が落ちている。

経営者は、

営業力の問題だと思うかもしれません。

しかし実際には、

顧客層が変化しているのかもしれない。

価格戦略がずれているのかもしれない。

競争環境が変わっているのかもしれない。

つまり、

問題は売上ではなく構造にある可能性があります。

しかし、

現場の中にいると見えません。

だからこそ、

外から見る存在が必要になります。

参謀の最初の役割は、

経営者の視点を引き上げることです。

客観性は一人では手に入らない

経営者は会社を誰よりも愛しています。

時間も、

お金も、

人生も、

会社に注いでいます。

だからこそ、

客観的になれないことがあります。

例えば、

自分が作った商品。

思い入れがある。

だから撤退できない。

本当は利益が出ていない。

市場も縮小している。

しかし、

感情が判断を邪魔する。

こうしたことは珍しくありません。

また、

創業時から支えてくれた社員。

本当は配置転換が必要。

しかし情がある。

だから決断できない。

これもよくあります。

経営判断に感情は必要です。

しかし、

感情だけでは経営できません。

参謀の役割は、

感情を否定することではありません。

感情と事実を分けることです。

経営者が見落としている事実を整理し、

冷静な判断を支援する。

それが客観性です。

構造を整理する存在

私は、

経営者が本当に困っていることは、

答えが分からないことではないと思っています。

本当に困っているのは、

問題が整理できていないことです。

例えば、

事業承継が進まない。

その原因は何でしょうか。

後継者の能力不足でしょうか。

親族関係でしょうか。

株式でしょうか。

権限移譲でしょうか。

実際には、

複数の問題が絡み合っています。

しかし、

経営者はその中心にいるため、

全体像が見えなくなります。

参謀は、

複雑な問題を構造化します。

問題を分解し、

整理し、

優先順位をつける。

そして、

何から取り組むべきかを明確にします。

つまり、

参謀は問題解決者ではなく、

問題整理者なのです。

感情を整理する役割

経営者の意思決定には、

感情が大きく影響します。

不安。

焦り。

怒り。

期待。

恐れ。

これらはすべて判断に影響します。

特に孤独な経営者ほど、

感情を抱え込みます。

そして、

感情が事実に見えてきます。

「この事業はやめたら終わりだ」

「この社員を手放したら会社が回らない」

「この投資をしなければ取り残される」

本当にそうでしょうか。

多くの場合、

感情が判断を大きくしているだけです。

参謀は、

感情を整理する役割も持っています。

感情を否定するのではありません。

感情を言語化し、

事実と切り分ける。

すると、

経営者は冷静さを取り戻します。

よく、

経営者の器を超えるために

会社は経営者の器以上には大きくならない

と言われます。

私は、

半分正しく、

半分間違っていると思います。

確かに、

経営者の視点が会社の限界になります。

しかし、

優秀な経営者は、

自分一人で経営しません。

必ず相談相手を持っています。

歴史上の経営者もそうです。

多くの経営者には、

右腕がいました。

相談相手がいました。

客観的に物事を見てくれる存在がいました。

つまり、

経営者の器を広げるのが参謀なのです。

司法書士は参謀になれるのか

私は司法書士です。

登記や会社法が専門です。

しかし、

それだけでは足りないと思っています。

なぜなら、

経営者が困っているのは、

登記そのものではないからです。

  • 承継が進まない
  • 株式が整理できない
  • 意思決定が止まる
  • 将来が見えない

こうした問題は、

法律だけでも、

経営だけでも解決できません。

必要なのは、

経営と法務をつなぐ視点です。

だから私は、

単なる手続き支援ではなく、

構造整理の支援を行いたいと考えています。

まとめ

経営者が判断を誤る理由は、

能力不足ではありません。

経営者という立場そのものが、

  • 孤独
  • 主観
  • 感情
  • 情報過多

を生み出すからです。

だからこそ、

経営者には参謀が必要です。

参謀の役割は、

答えを出すことではありません。

視点を上げること。

客観性を与えること。

問題を構造化すること。

感情を整理すること。

そして、

経営者がより良い意思決定を行える状態を作ることです。

会社の未来は、

意思決定によって決まります。

そして、

意思決定の質は、

誰と考えるかによって変わります。

だからこそ、

優秀な経営者ほど、

一人で判断しないのです。

次に読むべき記事

これらの記事を読むことで、「参謀」が単なる相談相手ではなく、経営者の意思決定を支える重要な存在であることが理解できるはずです。

===
監修・執筆

松本光平
司法書士 / 経営構造デザイナー

株式・議決権・事業承継・経営権をテーマに、
「会社の未来は構造で決まる」を軸として、経営と法務を横断した情報発信を行っている。

松本光平プロフィール
===