会社を経営していると、日々さまざまな仕事が発生します。
営業、採用、会計、契約、トラブル対応など、やるべきことは尽きません。
そのため多くの経営者が次のように感じています。
「経営者の仕事とは、会社のすべてをやることだ」
しかし、本当にそうでしょうか。
結論から言えば、経営者の仕事は
営業でも管理でも作業でもありません。
経営者の本当の仕事は
意思決定です。
この記事では、経営者の仕事とは何かを整理しながら、
経営者が果たすべき本質的な役割について解説します。
結論:経営者の仕事は意思決定
会社では毎日、大小さまざまな判断が行われています。
例えば
- 新しい事業を始めるか
- 誰を採用するか
- どの市場に投資するか
- どの取引先と付き合うか
こうした判断の積み重ねによって、会社の未来は形づくられていきます。
つまり経営とは
意思決定の連続
なのです。
営業活動や管理業務は重要な仕事ですが、
それはあくまで「実務」です。
経営者が担うべき役割は、
その実務の上にある
会社の方向を決める意思決定
なのです。
よくある誤解
中小企業では、経営者がプレイヤーとして働いているケースが多くあります。
例えば
- 社長自ら営業をしている
- 社長が現場の作業をしている
- 社長がすべての管理業務を抱えている
こうした状態になると、
経営者の仕事は次のように理解されがちです。
営業
管理
作業
しかし本来、これらは
経営者の仕事ではありません。
もちろん創業期などでは、経営者がすべてを担う必要があります。
しかし会社が成長していく過程では
- 営業は営業の役割
- 管理は管理の役割
- 作業は現場の役割
へと分担していく必要があります。
経営者がすべてを抱え続けると、
会社の意思決定が止まり、成長が止まります。
経営者が本来やるべき仕事は
会社の未来を決めること
なのです。
経営者の3つの役割
経営者の仕事は多岐にわたりますが、
本質的には次の3つに整理することができます。
1 夢(ゴール)を語り、方向性を示す
経営者の最も重要な役割は、
会社の目的地を決めることです。
これは
ビジョン
とも呼ばれます。
会社という組織は、放っておくと日々の業務に埋もれてしまいます。
社員は目の前の仕事に集中するため、
会社がどこに向かっているのかが見えにくくなることがあります。
そのとき必要になるのが
北極星(トゥルーノース)
です。
北極星とは、
会社が目指す方向を示す存在です。
経営者は
- どこに向かうのか
- なぜその方向なのか
- 何を実現したいのか
を言葉にし、組織に伝え続ける必要があります。
しかも一度ではなく
何度も繰り返し語る
ことが重要です。
人は一度聞いただけでは理解しません。
何度も聞くことで、組織の共通認識になります。
経営者が方向性を示すことで、
組織は安心して動くことができます。
2 資金を確保する
会社経営において、お金は血液のような存在です。
どれだけ優れた商品があっても、
資金が尽きれば事業は継続できません。
よく言われる言葉があります。
「お金があれば会社は潰れない」
これは極端な表現ですが、
本質をついています。
会社が成長するためには
- 商品開発
- 人材採用
- 広告投資
- 設備投資
などに資金が必要になります。
そのため経営者は常に
資金を確保する仕事
を担っています。
具体的には
- 銀行からの融資
- 投資家からの出資
- 助成金
- 補助金
- クラウドファンディング
などです。
資金調達は、単なる財務の問題ではありません。
資金を確保することは
会社の未来を確保すること
でもあります。
3 新しい事業をつくる
会社が長く成長していくためには、
新しい収益源を作る必要があります。
市場は常に変化しています。
昨日まで売れていた商品が、
明日も売れるとは限りません。
そのため会社には
新しい価値を生み出す力
が必要です。
この役割を担うのが、経営者です。
新規事業を成功させるためには、
ビジネスモデルを深く考える必要があります。
例えば
- 誰に売るのか
- 何を売るのか
- いくらで売るのか
- どうやって届けるのか
こうした問いを考え抜くことが重要です。
これを整理すると
4W2H
とも呼ばれます。
- Who(誰に)
- What(何を)
- Why(なぜ)
- When(いつ)
- How(どうやって)
- How much(いくらで)
新規事業は単なるアイデアではなく、
具体的なビジネスモデルとして設計される必要があります。
そのためには
- 社内の優秀な人材
- 多様な視点
- 試行錯誤
が欠かせません。
そして何より
経営者自身のコミットメント
が必要です。
新しい事業は、会社の未来そのものだからです。
まとめ
経営者の仕事は、営業でも管理でも作業でもありません。
経営者の本当の仕事は
意思決定です。
その意思決定は、主に次の3つに集約されます。
1
会社の夢や方向性を示すこと
2
資金を確保すること
3
新しい事業を生み出すこと
これらの役割を通じて、経営者は会社の未来を作っていきます。
会社の成長は、偶然ではなく
意思決定の結果
です。
だからこそ経営者には、
日々の実務だけではなく
会社の構造や未来を考える時間
が必要になります。
このメディアでは、
経営と法務を「構造」という視点から整理し、
- 経営の思考
- 会社の構造
- 法務実務
を体系的に解説していきます。
会社を理解することは、
未来を設計することでもあるからです。
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監修・執筆
松本光平
司法書士 / 経営構造デザイナー
株式・議決権・事業承継・経営権をテーマに、
「会社の未来は構造で決まる」を軸として、経営と法務を横断した情報発信を行っている。
▶ 松本光平プロフィール
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